《MUMEI》
不安
,




4月―




桜が舞い散る頃…




私はマネージャーをやらせてもらう事務所へと向かう。




で………




隣には何故か雅也……




「何で雅也が隣にいんのよ」


「俺、今日だから!!大学の入学式が♪俺もこっちなんで〜♪」


「だからって一緒に行かなくてもいいでしょ!!スーツ似合ってない!!」


「失礼な!!滅茶苦茶、似合ってんじゃん!!」


このナルシスト!


「そういえば、雅樹とはうまくいってんの??」


ドキッ…



鼓動がはやくなる。



雅樹とは……



最近、あまり会っていない。



最後に会ったのは3月の終わり頃。



何だか気まずくて会う気がしないんだよね…。



「秋菜…もしかして何かあったのか!?うまくいってないのか?」


「そんなことないよ!!うまくいってる!!」



私は平静を装う。



バレたくない……



雅樹とあんなことがあったなんてこと―…



「あっ!!私ついたから!またね!大学頑張って!!」



私は雅也にそう告げて建物の中に入った。



雅也の方を振り向きもせずに。








新しい生活が始まる―……






だけど私は………










不安でいっぱいだった―……









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