《MUMEI》

ベッドヘッドに寄りかかりながら俺は携帯を弄りだす。





適当に撮影したとはいえ、かなりヤバ過ぎなエロい画像…。




さすがに自分の携帯とはいえ何の拍子に誰に見られるとも限らない。




もったいなさを痛感しながら、裕斗の寝顔をちら見しつつ、一つ一つゆっくりと消していく。






さすがに動画は本人の隣では…とベッドから降り、ソファに異動して……








『いヤだ――っ!許して――っ!あああ――っ!』





『裕斗は淫乱もいーとこだなー、そんなにこれ気持ち良い?』





ウィィン…





グチュグチュグチュ…




『アアッ!アアッ!
アアッ!あああ――!』






バイブと一緒に俺も挿れてセックスした映像…。





泣き顔と、変色した乳首しか撮れてないが猥褻な音は確り収まっている。





「ヤッベー…マジでエロい…」




もう一回見て消すかとキーを押そうとしたとき……






「♪♪♪♪♪…」






俺は裕斗のバッグから彼の携帯を出した。



――メールを受信している……。





『伊藤 秀幸』









俺は何の躊躇いもなく携帯を開く……。







―――――――――

まだ起きてるか?
もし起きてたら声が聞きたい。
――――――――












……まさかこのオッサンか?…。マジか?






――裕斗が惚れた男…?







俺は受信歴を夢中で読みだす。





何度も声が聞きたいと…入っている受信履歴…。

しつこ過ぎて、確信も出来て…、




目眩がする。





――気分…わりい。





合間に俺からも受信していたり…



加藤からも他愛のないメールが入っている。




――俺は送信歴を開いた…。






想像通り裕斗から送信するのは少ない。

しかし加藤とは楽しそうにやりとりしていて、少し罪悪感が走った。

伊藤にも大したメールをしている気配もなく…





――しかし…





未送信のメールがあって…。




――――――――
秀幸に会いたい

愛してる
――――――――





俺はさっきの動画を裕斗の携帯に送信する。




すると直ぐに着信音がし、俺は…




伊藤のアドレスを開いた。





「声聞かせてやるよ」





俺は何の躊躇いもなく…




伊藤のアドレスに動画を……、





送信した。






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