《MUMEI》

ガラッ

「おっそーい!」
美夏が叫ぶ。
「おはよー」
唯が笑顔で手をふった。

和気あいあいの休み時間だった。

実際ついたのは
20分前だが、
授業が終わる後半にさしかかっていたので、
クラスには
次の授業まで、
いれてもらえないことに
なっていた。


「なしたわけよー?」
美夏が短いスカートをヒラヒラさせながら走って、あたしのほうへやってきた。
「寝坊だよー」

あたしはため息ついた。





佑とは全然話せなかった。
それどころか、
どんどん距離が遠くなっていく気もした。


佑は、凄く人なつっこいところがあった。
人みしりしないで
男女関係なく仲良しになるタイプだった。

だから、
よく女好きとか軽い、チャラい
とかゆわれていた。

あたしも茶化したときはあったけど、本気じゃなかった。




今は
なんて言えばいい
のかさえもわかんない。
こないだまで
家族同然、仲良しだったのに…



今は、お互いを避けあう日々。


どんどん離れてく。










でも、そんなの嫌だ。
絶対やだよ…。

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