《MUMEI》 バレエまたはスター弐カレーライス中辛。 サラダはしそ風味のドレッシング。 福神漬は嫌いだから代わりに胡瓜の浅漬け。 テーブルクロスは、淡い黄色の下地に色とりどりの小花柄。 うちの夕食。 ちなみにリボンちゃん作。 「おいしいかな?」「うん。おいしいよ。お嬢さん。」 僕の家には、たいてい僕一人しかいない。 十六才のときに施設から出て、一人暮らしが始まったときから住んでいる家に、客が来ることははじめてだった。 黄色いテーブルと、一揃えの茶色い椅子は四つ。 いつもは、ひとつしかうまらない座席には、僕を含む、三人が座っている。 「それにしても、広いお家だね。わたし春君とは、長い付き合いのつもりだけど、はじめて遊びにきたよ」 サラダを小皿に盛りつけながら、リボンちゃんが言った。 何故だか目がキラキラしている。 「おや、お二人は、恋人同士ではないのですか?」 何だか、ここにいる白いスーツの人。 「やだよ。春くんみたいな人。」 前へ |次へ |
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