《MUMEI》
切ない…キス
,




丘に来て最初に目についたのは痩せた雅樹の姿―………






「秋菜………久しぶり」






笑顔は変わらない……




だけど、
昔と何かが違う気がした。



「雅樹……痩せた??」



「そうかぁ??サンキュー♪」



口は笑ってる…けど、




目は笑ってないよ…。




「秋菜は変わらず可愛い☆」




「ありがとう…」



私は雅樹の隣に座る。



冷たいな…



ベンチ………



「秋菜……俺、暫く仕事休むことにしたんだ……」



前にも聞いたことある……



「……また……??何かあった??」


「何もねぇよ!ただの休み!俺が休みたかったから!」



空元気な雅樹がいる……



何か………あったんでしょう??



何で話してくれないの??




私は雅樹の彼女だよ??




「雅樹…本当に、ただの休み??」


「おぅ!それ以外何があるってんだ!」



「そう…だよね」



私……




雅樹を信じて…


雅樹を信じて…



雅樹を信じてあげて―……



私は思わず涙を流しながら雅樹の唇に自分の唇を重ねた。





切ない………





切ない………






キスだった―………







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