《MUMEI》
夜のカフェテラス弐
「これから、僕が話すことを、承諾して頂けない場合は、絶対にあなた方以外の人には、話したりしないでください。」

いきなり、真面目な顔で、取引が始まった。

が、ここで空気を乱すように、リボンちゃん。

「パントマイムで伝えるのはOKですかぁ?」


かわいい顔でにこやかに聞く彼女には、かすかな悪意を感じる。


「…そうですね。契約規約には、禁じられていますから、お控えください。」


大真面目に返す。

リボンちゃんは、またにこやかに
「はぁい。ありがとうございます。」

と言った。少し機嫌が悪そう。
ていうか、契約規約書に、パントマイムなどという、間の抜けた単語が存在しているのだろうか?


そっちのほうが気になる。

「ご契約前に、約束して頂けますね?」
「はい。わかりました。」

僕は、何となく返事をした。

「ありがとうごさいます。」
そういいながら、鞄の中から一枚の白い紙を取り出した。

「ご契約の説明に移らせていただきます。」

その紙には、青色の文字で

契約書

今回の当社とのご契約で、発生した死亡事故、病気、精神的崩壊、負債、痴情の縺れ… 等の負担は、自己負担です。

と、最初から恐ろしいことが書かれていた。

死ぬ…?

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