《MUMEI》
終了
『終わっちゃったね』

あたしが髪を風になびかせていると、黙り込んでいた木名瀬君が言った。

『そうだね…』


花火達の命は短い。
夏の間鳴き続ける蝉よりも。

一瞬で空を輝かせ、地上に降り、消える―。


その小さすぎる一瞬に…あたしは勇気をもらった。

『…あの…さっきの話ね…』

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