《MUMEI》
遅いよ。
「あの…ごめんなさい。…です」

唐突に、ファウナが謝り出した。(いや、遅いのだが。)


「え?大丈夫だよ。ファウちゃん。気にしないで。ね?
この人、解雇だ。解雇だ。っていいながら一年間は俺の事置いといてくれたから。」

笑いながら
俺に胸倉を掴まれる雷斗。



「…ううん。ファウが悪いから…お金もないのに、家出なんかしちゃって…うっ…うっ…ゎああああああん…」


泣き出した。…こいつほんとに、十五才か?


「おい、なんだ家出って。」

ファウナが、口にした単語が気になった。

「何?事情も聞かずに怒ってたの?!キリちゃん」

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