《MUMEI》
あなたがいるから
,





5月も、もう少しで終わり。



梅雨の季節になり、雨が降り更に蒸し暑い。



何だか気持ち悪い天気。



私はこんな天気が一番嫌い。






「今日も雨かぁ…気分のらないなぁ〜」



花梨は怠そうに呟く。


確かにこんな気持ち悪い天気じゃ、私だってやる気が起きないよ…。



友梨もやる気がないみたい。



その証拠にケータイばかり弄くっている。



「13時から撮影だっけ??それまでうだうだしちゃうな〜」



じめじめしてて、本当にやる気が起きない。



雅樹は1人で寂しいだろうな…


お母さんたちが来てくれてるのかな??



早く雅樹のところ行きたい……


「あっ!!そーだ!!秋菜さぁモデルになりたいんだよね!?」


「えっうん…」


花梨がいきなり言い出したので私はビックリした。



「私がカメラマンになってあげるからカメラの前でポーズとってみてよ!!友梨はポーズのアドバイスしてあげてさ!!」


「それいーね!!じゃあ秋菜あっちに立って!!」


私は友梨に背中を押され、2人から少し離れた場所に立たされる。


花梨はカメラマン気分でカメラをセット。


「準備オッケー♪」



「じゃあ、秋菜!!そこの椅子に座ってクールにきめてみて☆」


私は椅子に座り、友梨が言った通りにする。



「3…2…1…」



―カシャ



「秋菜!!うまいじゃん!プロ並みだよ!!写真うつりも凄くいいよ!!」



花梨は凄い褒めてくれた。



それがとても嬉しかった。



「もう一枚!!次はこの鞄持って今時風に!!」



私は鞄を持ち上げる。



こんな感じかな…と思いながらも花梨にオッケーサインをおくる。



シャッターライトが光り、私は目を、瞑ってしまいそうになった。



「秋菜!!完璧だよ!!近々、モデルになれるかもよ☆」


「花梨てば……そんなことないって」


「秋菜がモデルになったら私がマネージャーになってあげるから♪」


「友梨…気が早い!」



こんなことを言っていた私だけど……



凄い嬉しかった。




2人に褒められるなんて…




少しは自信がついたかも…。




モデルになりたい……




なって花梨みたいに輝きたい…





なれるかな…??





なれたら、雅樹は喜んでくれるかな…??







笑って、
くれるかな…??








雅樹がいるから、





笑顔を見せてくれるから、






私は何時だって………









頑張れたんだよ……









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