《MUMEI》
指輪
,





6月7日……



あなたはこの世を去った。





今日の朝、





突然、呼吸がおかしくなって心臓がおかしくなって……




看護士さんたちや院長は雅樹の元へ駆けつけたんだって…。





出来るだけのことはしたけど…





ダメだったらしい………






私たちが気づいていなかっただけで、雅樹の体は知らないうちに弱ってたんだ……。






どうして………





どうして………






あなただったんだろう……





どうして、
あなたが死ななくちゃいけなかったんだろう………





あなたは頑張ってたのに……





他の人たちより頑張ってた…のに………






雅樹の肌は触ってみると冷たくて、




私の大好きだった温もりはどこにもなかった。






よく見ると雅樹は痩せてて…




弱々しくなっていた。






あんなに元気だったのに…






あなたの指にシルバーリングははまっていなかった。






私の指輪が落ちたと同時に落ちちゃったのかな……






私は指輪を拾い、





雅樹の指に無理矢理はめた。






そして静かに呟いた。














「お疲れ様―……………」













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