《MUMEI》
帰途3
程なくして電車が到着した。時間帯やここが過疎地であることも相まって車内はスカスカだ。僕はドアに近い席を見付けると颯爽と座り込んだ。

今日は何だかとても疲れた気がする。瞼が重い。眠りたいがそれは出来ない。眠ってしまえば恐らく目的地を超過する。誰も助けてはくれない。頑張ろう。

僕はバッグから携帯ゲーム機を取り出した。暇潰しにはこれが最適だ。電源を入れると僕は程なくしてゲームという空想の世界へ没入していった。

隣に誰かが座った気がするけどそんなこと僕の関知することじゃない。

…本当に殺人ゲームは楽しいなぁ。

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