《MUMEI》

「亜衣ちゃん」

3人で
取り留めのない会話
をしていたとき、


声をかけてきたのは
琉だった。
「さっきは
イキナリごめんね!
まぢ焦ったっしょ」

琉はやっぱり目立つ。

回りから
強い視線を浴びていた。

「うちらのほうが、
びっくりだから-あ」
美夏が話しに割り込む。

唯は黙って
ラーメンを食べている。

「だいたい小酒井はぁ、
なんで亜衣が気になってる訳??」

美夏がカレーを食べながら琉に聞いた。

美夏は
琉に負けないくらいの
ギャルだ。

小酒井を怖がる様子もない。

ほんとに
釣り合いそうなのは、
美夏なんじゃないかなあ…

なんて思いながら
あたしはその質問に少し興味があった。

「そんなことゆえねえよ!!」
琉は金髪の頭を軽くかきながら、恥ずかしそうに言った。

「身体目当てとか、そんなんじゃないでしょーね?」
美夏は
小酒井を鋭く見上げる。


「ちげえって。あ-もう…。とにかくさ、これ、俺のアドだから。あとケー番と。
よかったら連絡ちょうだい。返事じゃなくてもいいからさ。」


琉は一枚の紙切れを
亜衣に渡して、くるっと後ろをむいて歩いていってしまった。

あたしは
ほんとの琉は、
見た目ほど
怖くないんじゃないかな?
と思っていた。





その時、
あたしの
心臓

ドクン
と鳴った。



金髪の琉が歩いていく方向に、
佑と
サヤが
座っていた。





佑は、
あたしを
見ていた。


あたしらが
琉と話しているところをみてた。
サヤは気にせず、
楽しそうに話しをしている。

佑は
ずっとこっちを向いていた。
寂しそうな顔……


いや…、怖い顔で……。
あたしを………


ずっと…
ずっと…
こんな怖い顔は





初めてだった。











通りすぎようとした琉に
佑は向き直った。


あたしは
危ない
と瞬時に思った



佑は




琉の
胸ぐらを掴んだのだ。







「お前、亜衣に
手、だすんじゃねえ」






静まりかえってしまった
食堂に



佑の張り詰めた声が
響いた。



「?え、あれ誰?」
美夏がキョトンとしている。唯は黙ってみている。





佑、




やめて…………












佑、あなたは



何を考えてるの?

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