《MUMEI》 「なんでお前ここにいるんだよ。不法侵入だぞ。」 「なんでって、細かい事は、後から説明するって言うたがな。それに、不法侵入ったって、俺の姿はお前にしか見えとらん。」 「説明なんていいよ。俺は、こんなゲーム降りる。」 俺は、立ち上がり机の中から新しいカッターを取り出して、首を切ろうとした。でも、カッターが、弾け飛んだ。 「だから無駄やって言うたがな。自殺は、出来へんって。」 「何でだよ…。なんで俺なんだ。俺なんか生きてる意味のない、ただのクズなのに…。」 「そんな事有らへん。きっと生きてる意味がみつかるわ。」 「お前に何が分かるっ。俺の何が分かる。」 こいつの心にもない言葉に、苛立った。 俺の事も知らない奴に、言われたくもない。 「そりゃあ、お前ん事は、分からん。せぁけど、俺は、あんたに何もせずに死んでもらい等ない。このまま死んだら、きっと後悔するわ。」 「なんで、お前は俺に、こだわるんだよ。俺みたいな奴一杯いるだろ。」 「一杯いるなぁ。でもな、一番お前が俺に、似てるんや。俺こう見えてもお前と一緒の高3やで。」 「嘘だろっ。」 「ホンマや。」 俺は、この男はずっと二十歳過ぎだと思ってた。 「俺も、昔お前みたいに自殺したんや。お前みたいに、やり直す事なんて、出来へんかった。」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |