《MUMEI》

「…大丈夫?」


電車の風が、
今にも
あたしを飛ばして
行きそうだった。

下校時間。


美夏と唯は
普段は違う線路の電車に乗るのだが

今日は心配して、
乗り場までついてきてくれた。

「あたしの家、泊まってもい-んだよ?」
美夏が心配そうに見つめる。






あたしは全部
2人に、
14日前のことから話した。



だから、尚更心配をかけているのだ。

「ありがと。
でも…、大丈夫!

心配かけちゃって、ごめんね」



あたしは二人に明るくバイバイと言って、
電車に乗り込んだ。






家についたときは
6時近くだった。
黙って2階に上がって、
無意識に
カーテンを閉める……


もう
佑が理解できない。
いま
佑に会いたくない。


















チッチッチッ
時計の音が……
「ん……??」
あたしはむくっと起き上がった。

あたしはいつの間にか
寝ていた。


そして
目からは涙が溢れていた。





「なんの夢だったんだっけ……」

あたしはボーっとしていた。

なんか、どーでもよかった。

時計をみると、
7時過ぎだった。
「ご飯よー」


お母さんが言ってる。
リビングのテレビから
野球がついてる音が
聞こえる。

野球がついてるってことは、
お父さんも今日早く帰ってきてるんだ、、、


「おかーさん?あたしのさー……」
下からうるさいお姉ちゃんの声が
聞こえる。



あたしには4歳離れた、今年で20になる姉がいる。麻衣だ。



うちは
いつもと変わらない。


あたしは涙をふいた。
目が腫れている。



あたしは頭をかきながら、
一階に降りて行った。

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