《MUMEI》
友達
.




マジ疲れた〜。



かったるかった入学式は、1時間かかってやっと終わった。



次は自分たちの教室に移動。



俺のクラスは"1年5組"だった。





友達できるだろうか…。


出来なかったら、きっと父さんに馬鹿にされるだろうな…。




俺はそう思いながらも、教室に入り、指定の席へ座る。


名字が"夏川"なだけあって、席は見事に真ん中の列。


これじゃ、授業中めちゃくちゃ目立つじゃねぇかよ…。


まぁ、一番後ろだったことが奇跡だな。



俺は時計を見ながらボーっとしていた。



そんな時だった。



「うっわ!お前、もしかしてあの人気歌手、MASAYAとモデルのAKINAの子供!?」



げっ!!!
バレた!



前の席の奴が、大声でそう言ったので教室にいた誰もが俺を見た。



「すっげー!!芸能人の息子と同じ学校でしかも同じクラス!!俺ラッキーかも♪」



此奴!!


ベラベラ喋りやがって!!


黙りやがれ!!


「俺"中澤 陽介"(ナカザワ ヨウスケ)!友達になろうぜ!!」


中澤 陽介とやらが、俺に自己紹介すると他の奴らも集まってきた。



そのおかげで、友達は沢山できた。


まぁ…中澤 陽介とやらに感謝だな。






でも、
此の時……



俺のところへ来なかった奴がいた。





それが…………














君だったんだ―………














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