《MUMEI》 君との出会い. 友達も出来て、初日から順調だった。 担任も何か面白い奴だったし。 楽しい1年になりそうだ。 「雅樹の家どこだよ〜」 陽介は下駄箱でいきなり、そんなことを聞いてきた。 家の場所って…… 親が、芸能人だから教えにくいよな……。 「陽介…悪いけど家の場所は言えない」 「あっ!!そうか!!親が芸能人だもんなぁ…じゃあ、我慢する!その代わり、ケータイ貸せ!!」 はぁ!? 陽介って、何もかもいきなりで意味分からん! そんなことを思いつつも、俺は陽介に携帯を渡す。 すると陽介は俺の携帯をいじりだした。 「おい…何してんだよ」 「俺のメアドとケー番登録してんの!!雅樹のメアドも俺の携帯にいれて!!」 面倒くさい…… けど、仕方ない。 俺は陽介の携帯を受け取り、自分のアドレスを入力した。 「ヨッシャ!!俺、雅樹の友達第一号!じゃ、また明日!」 滅茶苦茶な奴だな…。 陽介は、下駄箱に俺を取り残し、校舎を出て行った。 俺は広いグラウンドを横切り、校門を出た。 桜がヒラヒラ舞い散っている。 春にしか見れない、特別な景色だ。 「あの……」 「あ??」 俺は突然、聞こえた声に振り返った。 其処には、俺と同じ制服を着た一人の女がいた。 同じ高校の奴か……。 「誰だ??」 「私……貴男と同じクラスの"雪野 彩愛(ユキノ アヤメ)"です」 「えっ!?同じクラス!?俺と!?」 「あっはい…私…貴男と友達になりたくて…駄目ですか??」 彩愛は綺麗な栗色の髪をしていて、目はぱっちりしていてまつげも長かった。 マスカラなんていらないくらいだ。 こんな綺麗な女…… いたっけ?? 「彩愛って呼んで下さい!!」 「あっ…いいけど…」 「本当ですか!?友達になってもいいんですか!?」 「いいよ。その代わり、敬語は禁止!!呼び方は何でもいいから」 「ありがとう…!!嬉しい!!それではまた明日!!」 彩愛は最高の笑顔で、手を振りながら帰っていった。 これが―…… 君との出会い―…… 此の日は本当に…… 桜が綺麗だったのを、 俺は今でも覚えてる…… . 前へ |次へ |
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