《MUMEI》 「じゃあ、何す・・うっ」 りょうちゃんは胸を抑えて苦しみだした 「りょ、りょうちゃん?りょうちゃん!」 幼いちーちゃんはナースコールを知らなかった りょうちゃんを揺さ振っているだけだった 異変に気付いた看護士が来て、何とか一命を取り留めた そして、りょうちゃんの父親が呼ばれた 「せ、先生。涼哉は大丈夫ですか!?」 「危ないところでした。今は大丈夫です」 医師はここまで言うと一息ついてから「しかし」と続けた 「今の状態は極めて危険なところにいます。すぐに手術を施さなければ、もって半年でしょう」 「じゃ、じゃあ、すぐに手術をしてください。お金は払いますから」 「ここで手術は無理です」 「そんな・・・。もうあの子しか私にはいないのに・・・」 医師はその様子を哀れみの目で見るのではなく、期待の言葉を言った 前へ |次へ |
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