《MUMEI》
家路
『奈緒ー』
グラウンドから木名瀬君が大きく手を振りながら走って来た。

『お疲れ様♪』
『買い物終わった?』
『うん』
あたしは微笑んで頷いた。


あたし達は闇に染まった帰り道を歩いている。
『バレンタインって嬉しいよなー』
『えー好きな人居なきゃ、あたしは嫌だな‥』
『いーじゃん今年は居るんだし』
木名瀬君はウインクをした。

『‥ん‥頑張ります‥』
あたしは料理の腕に自信が無い。

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