《MUMEI》 西園寺 恵. 高校生活が始まって、いよいよ1ヶ月が経とうとしていた。 俺の学校生活は相変わらず、順調だ。 普段、一緒にいるのは陽介。 時々、一緒にいるのが彩愛だ。 彩愛は普段、他の女友達と一緒にいるから。 メールはよくするけど。 陽介は、飽きるくらい一緒にいる。 もちろん、他の友達も。 「雅樹!!もう直ぐ、テストだ!!勉強やろう!!一緒に!!」 「はぁ??陽介さぁ…此の高校に入ったってことは、それなりに頭いいんだろ??なら、俺に教わらなくても…」 「此の高校に入れたのは奇跡!!決して、特別頭がいいわけじゃない!」 何だ、此奴は…。 まぁ、陽介らしいからいいけどな。 「じゃあ、勉強するか…放課後近くの図書館でも行こう」 「雅樹!!ありがとなぁ♪♪♪」 俺が、椅子に座ろうとした… その時―…… 「夏川 雅樹様は此のクラスですか??」 教室中がざわついた。 ドアの方を見ると、其処には美少女が立っていた。 「うっわ……西園寺 恵だ…」 西園寺 恵(サイオンジ メグミ)?? アイツは、有名な奴なのか?? 「雅樹……すっげーな……西園寺 恵に呼ばれるなんて…」 「はぁ??」 俺が声をだすと、西園寺 恵は俺の方を見て笑みを浮かべた。 「夏川 雅樹様ですね??ちょっとお話がありますので、来てもらえます??」 「あっ…はい…」 何か…… 緊張してる……俺……。 俺が立ち上がると、陽介は俺の袖を引っ張った。 「西園寺 恵は…西園寺家の令嬢だ…。あんまり、変なことは言わないようにな…ややこしいことになるぞ……」 「……分かったよ…」 俺は、陽介にしか聞こえないような声で言い、西園寺 恵の元へ向かった。 その間、クラスの奴らや廊下にいる奴らはずっと、俺を見ていた。 そう…… 君も―……。 「ついてきてください」 俺は西園寺 恵の後についていく。 西園寺家の令嬢が…… 一体、俺に何の用だ?? . 前へ |次へ |
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