《MUMEI》 「梶野!お前、看板にしねえ??」 ―…我ながら、名案!! オレの同じクラスの相方には彼女がいて、 そいつ、彼女と同じ『旗』係にするって言ってたから、 どーせオレ一人だし、 ここでオレが 梶野とゆきちゃんを同じ係にしてやろう!! 「いーけど、なんで看板??」 不思議そうな梶野の答えに、 オレは黒板を指差した。 「…あそこ、もう1年って係決まってるだろ?? ―…『看板』のとこに、『姫井りか』って書いてある」 「…??うん。 それがどーかしたのか??」 梶野がいっそう怪訝な顔つきになる。 あーもう!! 分かれよ!お前とゆきちゃん、 一緒の係にしてやろうとしてんの!!! そう思いながらも、 「…はあ!? お前、『姫』しらねえの!? 1-Aの、すっげえ可愛い子だよ!! …ほら、あれ!あのふわふわの!!」 と、つい最近まで自分も名前知らなかった『姫井りか』を指差した。 「…かっわいいよな〜…!! ―よし、俺たち看板に決定な!! ゆきちゃんも、いいでしょ??」 「…え!?あ、う・うん…」 「じゃあ、オレ前に書いてくる〜♪」 そう言って立ち上がり、黒板へ向かう。 オレっていいヤツ♪ 『姫』、ちょっとお名前お借りしました。 上手くやれよ、梶野☆ 前へ |次へ |
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