《MUMEI》 「えーと… リーダー、やりたい人いる??」 梶野がグループ全員に問いかける。 「……………」 「オレはいや〜」 だって、美咲の迎えあるし!! (でも、オレが電柱にぶつかりそうになったあの日から、 美咲は二人乗りを怖がるようになってしまった) 「…いないよな〜… ――仕方ない!!ここはおれがやるか!」 ―…梶野!? お前、ゆきちゃんの前だからって カッコつけやがって!!! ふと『姫』のほうに視線を向けると、 『姫』は瞬き一つせずに、梶野を見つめている。 …ん?? まさか。 まさか、『姫』… 梶野のこと―…!? 「えっくんが、副リーダーね♪」 梶野の声にはっとする。 「えぇ!?オレだめだって!!」 反論するが、 「だめー!!えっくんが誘ったんじゃん」 と、返された。 仕方ねえ。 美咲、帰りはお母さんに頼め。 …車の方が、安全だしな。 「…わかったよ」 答えると、 「えっくん偉い!!」 と、笑顔で背中を叩かれた。 ―…全く、この笑顔に今まで何人やられたことか。 こいつ、何気にもてんだよなあ… 『狼少年』のクセして。 ―なぜか、彼女がいたってことは 中学のときから無かったと思うけど… そんなことを思っているとき、 ふと、 梶野に向けられた『姫』の視線を思い出した。 やっぱ、『姫』も梶野スマイルにやられた一人なのか…?? ん?? なんでオレこんなに気になるんだ…?? なんか変だ、オレ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |