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《MUMEI》 帰り道教室のドアを開けると、 ゆきちゃんと、『姫』がいた。 「あれ!?相原、まだ帰ってなかったの??」 「あ!!姫がいる〜!!!」 オレたちが口々にそう言うと、 「…ひめ??…りかのことですか??」 そう言って、『姫井りか』が、首を傾げた。 「うわ、ごめん!! つい…」 慌てて謝ると、 「今度からはぁ、 りか、ってよんでくださいね♪」 微笑みながら、『姫』改め、りかちゃんが言った。 「はい!!」 つい、ばかみたいに元気よく 答えてしまった。 あー可愛い。 笑ってんの、初めて見たかも… 「じゃあ、今日は帰ろっか! 相原、…と、姫井!!片付けありがとな♪」 「いえ!! りかも梶野せんぱいのお手伝いしたくて…」 梶野の言葉に、 頬を赤らめながら答えるりかちゃん。 …やっぱ、 好き―…なんだろーな… おい!! 梶野、どーすんだよ、お前!!! 「相原せんぱい♪ さっきの話、ひみつですよ??」 りかちゃんの言葉に、 笑って頷くゆきちゃん。 ―…オイオイオイ!! まさか、りかちゃん、ゆきちゃんに 梶野の恋愛相談とかしてねえよな!? 「なになに!? 秘密って!!」 オレが聞き出そうとすると、 「ほら、えっくん、帰るぞ〜!!」 梶野に引っ張られた。 「うっわ!梶野!!はなせ〜!!」 ―お前の為なんだぞ!! 「…相原、姫井! 明るいうちに帰るぞ!!」 「はあい!!」 りかちゃんの元気なお返事。 あー… ほらな、やっぱ好きなんだ。 …少し、落ち込んだ。 前へ |次へ |
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