《MUMEI》

130周目…

岡ヤンの駆るゼッケン8の NSR は、ホーム・ストレートを疾走していった!


オレは、岡ヤンがコントロール・ラインを踏み越えるタイミングで、Gショックのボタンを押した。

そして液晶パネルに羅列した数字を見て、呆れるように笑った。

(このラップも39秒台や…。)


最速のポール・シッターが、最強の味方であることがこの上なく心強く…また誇らしい…。

1コーナーへと消えてゆく岡ヤンの走りは、オレばかりでなくギャラリーの注目をも一身に集めていた。

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