《MUMEI》
カナ
「えっく〜ん♪」


げ。


カナだ…



「えっくん、なぐさめて〜!!」



うわあ…酔ってる…

―…未成年の飲酒は法律で禁じられてるんだぞ!!!



「無理!!オレも疲れてんの」



無視して部屋に入ろうとすると、



「栄一朗のあほ〜!!!」



カナが泣き出した。



オイオイオイ!!


子どもか―――!!



「もー…わかったから!!泣くなって!!!
…どうした??」

「やっぱ、えいちゃんやさし〜♪」

「ぐわ!!抱きつくな〜!!!」



まったく…

こんなのが姉だと大変だ…



「あ??チロ帰ってきてたの」



居間から2番目の姉、久美が顔を出した。



「おう。ってか、カナどーにかしてよ!!
酒飲ませたの、クミだろ!?」

「いーじゃん♪あたしも久しぶりの実家なんだから。
チロはカナに愛されてんね〜☆」

「うるせえ!!ってかその呼び方止めろって!!」


「可愛くていーじゃん!!チ・ロ♪」

(クミ曰く、『栄一朗』=『えいいちろう』の略語らしい)


「………」


…ウチはこんなんばっかりだ。

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