《MUMEI》

しかし、そんなささやかな抵抗を見せるライダーには、金髪小僧は容赦無い当て身を喰らわせ、かわしていった。


観る者を不快な気分にさせる金髪小僧のルーティーンも、間もなく1時間になろうとしていた。

先ほどの予想が正しければ、金髪小僧はあと2〜3周でパンチパーマとライダー交替する筈だ。


忌々しい糞餓鬼がコース上から消えるのは喜ばしいことだが、オレ個人的には…


…いや…

ここに居るギャラリーの総意としては、岡ヤンが金髪小僧を完膚無きまでに叩きのめすシーンを見たかったところだろう。


しかし、金髪小僧と岡ヤンとのタイム差は、約30秒のまま膠着していた。

残念ながらその願いは叶いそうにも無かった。

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