《MUMEI》
理由。
ビシビシ・・
ハンディングが展開していた結界に爆発した魔力が衝突し、ヒビを入れていく。
「・・・・・!!」
無言のまま結界を新たに展開し、
バリィィン!!
外側の結界が壊れた後を耐え切る。
公園は跡形も無く、ハンディングが張った結界の範囲外の場所は瓦礫さえも無い、ただのむき出しの大地になっていた。
大きく抉れ、水面よりも低くなった大地に河から水が流れ込んでいく。
「・・・・・」
式夜は言葉も無く、その光景を凝視し、リースは信じられないという様に膝をつく。
ハンディングが結界を解き、二人が戦っていた辺りに向かって歩き出す。
その場所は深く大地が抉れ、見えない位置になっていた。
彩詩は気を失い倒れていた。
全身傷だらけで、命があることが不思議な状態。
「・・・無茶ばかりするのだな、そなたは。」
彩詩を見つけたハンディングはゆっくりと彩詩を抱え起こす。
「・・・だが、それ故に側に居たいのかもしれぬ。」
すっと視線を前にやる。
ソコにはシンギがレイによって手当てをされている所だった。
拮抗状態の最中、彩詩は自身がシンギを貫けば、その後ろに居るハンディング達を巻き込むと思い力を緩め、シンギはその長大な刃が振り抜かれれば公園の入り口に居るレイを巻き込むことになると力を緩めた。
その結果が双方の力を暴発させ、お互いが大切な者を殺さず、自身の命を落とさずに決着が付いた。
「・・・神など嫌いだが、今だけは感謝しよう。二人が死なずに済んだ事を・・」
レイはシンギを抱え上げ、ハンディングの隣へと歩いてくる。
「二人をお願い。」
「無論そのつもりだ。あの爆発のお陰で魔力の混沌が消し飛んだ故、空間転移も容易だ。すぐに手当てをさせよう。」
シンギをレイから受け取り、そのままテレポを起動。街の外、キティホークが居る場所へと移動する。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫