《MUMEI》
20分程で秀幸のマンションに着いた。
ただぐずぐず泣く事しか出来なかった俺の手をずっとはなさなかった秀幸。
部屋に入っても俺の頭を撫でたり、背中を撫で甘やかしてくれた。
でもキスが優し過ぎて涙が余計止まらなかったりとか、気持ちが不安定でマジ辛い。
「どうして許してくれるの?逆だったら俺許せないよ…」
俺は秀幸の上に跨り抱きついたまま言う。
秀幸は俺のシャツの中に手を差し込み背中をじかにまさぐっている。
「お前ずーっと、気持ちが不安定で生きてきただろ…ごめんな…もう一人にしねーよ、
俺が確り捕まえてなかったからこんな事に…本当にごめんな」
「何でそう思ってくれるの?違う、俺はただのバカだよ?」
肌に触れて貰えた嬉しさに心が震える。
俺は秀幸の背中にきつく抱きつき頬に頬を重ねた。
「確かにバカだなー、でもな、バカ程可愛いって言うんだぜ?
それに…」
秀幸は俺の肩を掴み俺をぐっと引き離した。
「…それに?」
秀幸は眼を閉じ、顔を斜めにして近づいてきた。
そして俺も…眼を閉じる。
「罪さえ…いとおしいんだ…」
一瞬だけ唇が重なり、しかし直ぐに離れた。
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