《MUMEI》
意外な一面
.






裏庭―……





西園寺 恵は、俺に背を向けたまま…。




「えっと、話って??」




俺が、聞くと西園寺 恵は振り返る。



綺麗な奴だな…。



俺の母さんには、適わない…けど。



「突然、呼び出してごめんなさい……私、西園寺 恵といいます。貴男は…夏川 雅樹様ですよね?」



「そうだけど……何で知ってるんだ??」



「もう、有名になってますよ?? 格好良くて、頭のいい人って…あと、芸能人の息子だってこともバレてます」



やっぱり……



もう、知らない奴はいないだろうな…。



「で、何の話?」



「あっ……単刀直入に言いますね…私、貴男に一目惚れしました」



はい……??



え――――――――――!?!?



こんな、ご令嬢が俺に一目惚れをしただと!?




それは―……




「何かの冗談??」



「そんなんじゃ、ないです」



本気かよ…。



「付き合って下さい」



「いきなり、言われても…」



「ならせめて、お友達になって下さい……これ、メールアドレスと携帯番号です…受け取って下さい……」





友達になるぐらいなら、



いいかなぁ??




「いいよ…………」



「本当ですか!?ありがとうございます!!」



「じゃあ、メールするから」



「はい!!」



おっ?



笑うと、可愛いじゃん。



笑ってない時は、クールな女の子みたいだけど。



意外な、一面を発見。




「では、さようなら!!メール待ってますので!」




西園寺 恵は笑顔で、走り去っていった。




メール……



帰ったら、するか……。












俺は気づいていなかった……







これが、






全ての始まりだとは………













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