《MUMEI》
日暮の鳴く刻
ケ・ケ・ケ・ケ・ケ・ケ・ケ・ケ・ケ…


騒々しい2ストローク・バイクの排気音に混じり、どこからか日暮(ヒグラシ)の鳴き声が聴こえてくる…


日もだいぶ傾き、あれほど暑かったサーキットに、一陣の風が迷い込んできた。


間もなくレースが始まってから1時間45分が経過しようとしており、勝負はいよいよ佳境を迎えつつあった。


戦況は…

150周目にパンチパーマの NSR が、ラパイド2号の前に出て以来、ジリジリと差を拡げつつあった。


オレンジ色のチームが勝つという、最悪のシナリオがいよいよ現実味を帯びてくると、サーキットの雰囲気が暗く沈んでいった…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫