《MUMEI》
ペースUp
『ル』

黒地にオレンジ色の文字で記された上向きの矢印。

それは、ペース・アップを命じるサインだった。


何者かが背後から追い上げてくるシチュエーションを窺わせるサインは、勝利を確信しつつあったパンチパーマに、どのような心理的影響を与えたのだろうか…?


パンチパーマは、ホーム・ストレートの途中で慌てて後ろを振り返った。


しかし奴の目には、3〜40メートル後方を走るゼッケン1のマシンの姿しか見えなかっただろう。


(そのマシンとの勝負は既に着いている…慌てる必要は無い。)

…奴の心理を代弁すると、そんなところだろうか…。

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