《MUMEI》

(思ったより…)

オレは兄貴が言いかけて止めた言葉の続きが気になった。


オレ『…何や……?』

兄貴『いや…何でも無い。』

オレ『気になるやないか…』

兄貴『…。』


兄貴はそこで言葉を濁して会話を止めてしまった。

オレは首を傾げながらも無理に追及することはせず、再びコース上の岡ヤンに目を移す…。


すると赤白の NSR が最終コーナーを立ち上がり、ホーム・ストレートに戻ってきた。


オレはそのマシンがコントロール・ラインを踏み越えると同時に、Gショックのボタンを押した。

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