《MUMEI》 俺はあいつの肩をそっと抱いたり背中をさすってやり、様子を見ていた。 変な素振りに見えないかどきどきしていた。 俺の汚い心が見えたら、あいつは俺を軽蔑するだろう! きれい事をしゃべっていても、心では恋する人を薄汚く犯している。 尊敬する作家の坂口安吾も告白しているが、彼と同じ苦しみを味わうことになった! あいつの髪の匂いがした。 俺の胸にあいつの頬が付いている!長い睫の目が閉じている。可愛い口が少し開いて苦しい息をしている。 俺の心臓はアルコールによるものよりもさらに高鳴った! あいつの唇をここで奪ったら・・・なんて甘美だろう。あいつをぎゅっと抱きしめて俺のものにしたら・・・ 俺の一物はズボンの下で立ち上がり、抉り入れる場所を探している。 だが、あいつの俺を信じ切った顔を見て、俺は何も出来なかった。 ここでしくじれば終生、後悔することになるのだ! あいつに、本当は俺が裏切り続けていることを知らせてはならない。 そして友人の仮面を被って、永遠に俺は裏切り続けるのだろう。 前へ |次へ |
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