《MUMEI》 明暗168周目… 鬼神のような追い上げを見せる岡ヤンのマシンに、場内がざわつき始めている。 オレと兄貴はピット前に立ち、その注目を一身に浴びる岡ヤンのマシンを見つめていた。 ピット・レーンの上座(オレ達のピットの右手)に位置するゼッケン1のチームからは、現在2位を走行中のラパイド2号に向けてペースUpの指示が出されていた。 一方レーンの下座を見ると、ゼッケン19のチームからも、同じようにペースUpを命じるサインボードが出されている。 トップ争いを演じる2台のマシンは、最終コーナーを回り、ホーム・ストレートに戻って来た。 しかし… その光景に両チームの明暗がくっきりと別れた。 前へ |次へ |
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