《MUMEI》

レースは残り7分…

ラパイド2号は前をゆくオレンジ色の NSR をかわそうと、コーナー毎にインを伺うものの、パンチパーマの巧みなブロックに阻まれていた。


パンチパーマは、バック〜ホーム・ストレートでも後続のラパイド2号の気配を敏感に察知し、その進路の前に立ち塞がった。


(遅い癖に隙が無い…)

固唾を飲む誰もが呆れた。


こうして居る間にも、最速の NSR が追い上げて来る!

ラパイド2号は、172周目に突入したホーム・ストレートで後ろを振り返った。


その目には…

"8"のゼッケンがハッキリと映ったことだろう…!

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