《MUMEI》 出逢い.. 今日は水曜日。 退屈な学校生活はあと、2日もある。 なんてつまらないんだろう。 この日は…… 雲一つなく快晴で。 青い空が果てしなく 広がっていた―…… 何時ものように、 私は、一人で席に座る。 つまらない。退屈。 早く帰りたい。 私は時計を見ながら、そう思っていた。 そんな時だった―…… ―バンッ 教室のドアが、勢いよく開き、生徒たちは目を向ける。 でも、私は別に気にならなかったのでずっと時計を見ていた。 生徒たちは、ドアの方を見ながら呆然としている。 まるで、珍しいものを見るかのように。 「どーも♪」 そんな陽気な声が聞こえた。 朝から五月蝿い奴―…。 私は、時計から目を反らしてドアの方を見た。 そこには、如何にもチャラい感じの男が立っていた。 明るい髪の色。 綺麗に整った顔。 長い足。 スラッとした体。 きっと、女はああゆう男が好きなんだなって思った。 私は…無理。 「皆、俺のことそんなに見んなって!ハズいじゃん!!」 男は、子供みたいに無邪気に笑う。 女子たちは、そんな彼を見てキャーキャー言う。 ほらね。 女は結局、ああゆう男が好きなの。 単純で、馬鹿。 ドアのところにずっと立っていた男は、ずんずん教室に入ってきた。 私は、そんな男から目を反らした。 関わりたくない。 あんな、馬鹿みたいな男となんて。 そう…… 思って……いたのに…。 私の目の前はいきなり、暗くなる。 生徒たちは、ざわつき始める。 何よ?? 何事?? 私は、顔をあげた。 其処には、チャラい感じのあの男の姿。 「君が噂のクールビューティー・神谷 蘭か♪」 は……???? 意味分からない。 「無視かよ〜!!さすが!!クールだなぁ!!」 何なの…?? 此奴……。 「俺は如月 秀斗(キサラギ シュウト)!仲良くしようぜ☆」 彼はまた、無邪気に笑う。 これが―…… あなたとの出逢い。 この日は、雲一つなく快晴で。 青い空が果てしなく… 広がっていた―…… .. 前へ |次へ |
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