《MUMEI》
中庭
.







「ねぇ、知ってる??」
「何を??」
「あの如月くんと神谷 蘭のこと!」
「知ってる〜!!!!如月くんが神谷さんに話しかけたやつだよねぇ!?」
「そう!!あり得なくない!?あの如月 秀斗だよ!?イケメンでチャラい如月 秀斗!」
「神谷さん美人で、スタイルいいし完璧だけどさ〜…性格あれだもんね」







如月 秀斗とやらに話しかけられ、二週間が経った。




変な会話がそこらへんに、飛び交っている。




そして、私を見ては"有り得ない"の言葉の繰り返し。




本当に、迷惑。




学校なんて、なんの為にあるのか分からない。








私は、1人で中庭へ向かう。




授業をサボるのは、初めて。




「はぁ…」




1人で溜め息をついては、空を見上げる。




空は、見事に灰色。




全て、雲で覆われていた。




まるで……



私の心の中みたい。







「おっと〜!!先客!?」








静かな中庭に、陽気な声が響いた。



もしかして―…




「あ〜!!蘭ちゃんだ!」




最悪………



中庭になんか、



来なきゃよかった。




如月 秀斗は、笑顔で私の隣に座った。



「まさか、蘭ちゃんがいるとは思わなかった!!」



「…………………」



「また無視かよ〜!!素っ気なくでもいいから、返事してくれ〜俺、虚しいじゃん(笑)」



何でこんなに、


馴れ馴れしいの??




私、こんな奴と関わりたくないのに。




「蘭ちゃんてさ〜本当にクールビューティーだよね!!美人でクール!」



意味分からない。



誰が、私のこと"クールビューティー"なんて言い始めたんだろ。



「俺、よく来てるんだよね!此処に♪授業とか、めんどくさくて!!それに俺、馬鹿だし!勉強なんてやっても意味ないってゆーか(笑)」



彼は、返事をしない私に構わずベラベラ喋る。



何で………



私に関わるの??



私と一緒に居たってつまらないだけなのに。



どうせ、



女なんて腐る程いるくせに。



「ちなみに、俺7組なんだ!蘭ちゃんは4組だから〜結構、近いな!!」



とゆうより、何で私なの??



何で、頼によって私なの??



あんたが、目をつけたのは…。


「俺さ〜、蘭ちゃんと友達になりたいんだよね!!メアド教えてくれない!?」



―キーンコーンカーンコーン



授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。



私は、静かに立ち上がる。



そしてやっと私は口を開いた。


「無理」



素っ気なく返事をして、中庭から立ち去った。













..

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