《MUMEI》
返事―秀斗―
..






「無理」





そう言って蘭ちゃんは、中庭から立ち去った。




今……



"無理"って、言った!?




初めて返事してくれたし!



めちゃくちゃ嬉しい!



あの蘭ちゃんが、



返事してくれた!



夢みたいだわ〜!!







「おーい…其処のにやけてるキモイ人〜」




俺の幸せモードを一気にぶち壊された。




「何だよ!?せっかく、幸せなムードに浸っていたのに!」




俺が起こり気味に言うと、其奴はクスクス笑いながら俺の隣に座った。




此奴の名前は梶原 龍(カジワラ リュウ)。



俺の中学時代からのダチ。



まぁ、イケメンだな…。



俺から見ても。



「もしかして―…蘭ちゃん?」



「おぉ!!龍、正解!よく分かったな!!」



「何かいいことでもあったか??」


「あった、あった!返事してくれたんだよね!!メアド教えて〜って言ったら"無理"って!」



龍は、俺が言ったことにまた笑う。



俺、可笑しいこと言った!?



「それだけかよ??」



「俺にとっては、ビッグな出来事ですから!」



「"無理"って言われて、嬉しいのか??変わってんな〜(笑)」



何だ、此奴!
人の幸せを馬鹿にしやがって!!


「龍に俺の気持ちが分かるもんか!!」



「ごめん、ごめん!!それよりさ、秀斗…蘭ちゃんのメアド知りたいの??」



「知りたい!!」



「じゃあ、俺が聞いてやるよ。俺蘭ちゃんと同じクラスなんだよね〜実は」



「え゛〜〜〜〜!?そうだったっけ!?」



龍は入学式サボって、学校に来ても教室に行かないで、保健室とか屋上で寝てたから知らなかった!!



「マジだよ??しかも俺、名字が"梶原"だから蘭ちゃんと席も近いんだよね。俺、蘭ちゃんの前」


「マジかよ!?」



ミラクル!



奇跡だ!



「俺なら、蘭ちゃんと友達になれるかもな」



「何かムカツク!俺が蘭ちゃんと友達になれないようなその言い方!」



「そうゆうこと言っていいのかよ??蘭ちゃんのメアド、知りたいんだろ〜??」



「知りたい!ごめんなさい!!」



「仕方ない…大事な友達の為だ。頑張ってみるか」



「サンキュー!!龍、最高!」





俺がそう言うと、龍は笑いながら立ち上がり"教室行くわ"と言って校舎の中に入っていった。












..

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