《MUMEI》 棚ボタゼッケン1のチームに対する同情もそこそこに、事故現場に視線を戻したその時… ハード・クラッシュの舞台となったU字コーナー手前のセクションに、3位を走っていたゼッケン8のマシンが差し掛かった。 岡ヤンが駆る赤白の NSR だ…。 岡ヤンは、オフィシャルが駆け寄り黄旗を振るよりも早く事故の発生を察知し、ゆっくりとS字クランクを立ち上がった! そして… コース脇でヨロヨロと起き上がるラパイド2号と… エスケープ・ゾーンで焦りを露にキック・ペダルを踏み下ろすパンチパーマを後目に… 労せずしてトップの座に踊り出た…! その瞬間、オレと兄貴は控え目にガッツ・ポーズを決めた…。 前へ |次へ |
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