《MUMEI》
関係ない
..






「じゃ、メールする」




私のメアドを手に入れた梶原 龍は満足そうに笑って、立ち上がった。




私は、また窓の外を見る。




雨は…


いつの間にかやんでいた。




「俺のこと、"龍"って呼べよ」




私は返事をしなかった。



だけど、龍はそんなこと気にもせずに教室から出ていった。





結局……



友達になっちゃった。



"仮"だけど…。



私は……



1人がいいのに……。




もう………




人を信じて、



裏切られたくない…から…。





だから…1人がいいの…。















私は、龍が教室から出て20分くらいしてから教室をでた。



静まり返った廊下には、私の足音だけが響いていた。














下駄箱まで来た時、



私は教室に傘を忘れたことに気づき、教室に戻ることにした。




すると………




「あなたが神谷 蘭??」




誰かが私を呼んだ。




最悪…


急いでるのに…。




私が振り返った先には、ギャル系の女が立っていた。




私……


こうゆう人、嫌いなのに…。



ギャル系の女は私の方にゆっくり歩いてきた。



「噂通り…美人なんだねぇ〜胸だってあるし、スタイルもいいし…髪だって綺麗…それに美脚で肌も綺麗……」



何なの……


この女……



「それに……顔だって……男の好みそのものだし…」



初対面で、よくこんなベラベラと……。



「あなた……誰??」



思わず、聞いてしまった。



私はその時、女が笑ったのを見逃さなかった。



「私は山本 杏菜……」



ヤマモト アンナ―……



私は、しっかりとその名前を頭にたたきいれた。




「神谷サンさぁ〜いくら、美人だからって調子にのらないでね?」



「のってないけど」




「如月くんと龍に話しかけられたでしょ??」




龍と話してるところ…



もしかして、見てた…??




「あの2人は学年で、一番モテるんだよ??そんな2人に話しかけられた神谷サンは、多くの女の子を敵にまわしたの…分かってるよね??」




この女……



意味が分からない。




私は、あの2人と仲良くするつもりなんて一切ない。




第一、私は話しかけられただけじゃない。




「あんまり、いい気にならない方がいいよ??場合によっては、私だってあなたに何するか分からないからね??」




「………勝手にすれば?」




私はそう言って、歩き出した。



すると山本 杏菜はまた喋りだした。




「それと、私……














龍の元カノだから」









私は、気にせずに歩き続けた。



龍の元カノだから…何??




私には、





何にも関係ないから―……













..

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