《MUMEI》
またね
   〜栄実視点〜


玄関を出て、今度は歩っちと別れる。


「2人ともまたな〜♪」


「おう☆またな〜☆」


歩っちは手を振り去って行く。


私は、歩っちに手を振り返す・・・。


"またね"って言葉が出てこなかった。


麗羅にも歩っちにも


"またね"って言えなかった。


2人は、私に本当の自分を見せてくれてるのに


私は、自分勝手な理由で


2人と向き合おうとしていない。


こんな私が2人に"またね"なんて


・・・・・言えるハズがない。


麗羅の家から200メートル程離れたところで


『栄実・・・!


栄実また学校でね!』


って麗羅が私に向かって大きな声で言った。


"またね"って言ってくれるの・・・?


クールな麗羅が私に向かって

大声で"またね"って言ってくれるの・・・・・?


涙が出そうになるのを我慢して


麗羅に手を振る。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫