《MUMEI》 レース終了の5分前に起きた悲劇に、ピット前も騒然としていた。 ゼッケン1のチーム・クルーの一人が、オレンジ色のチームの監督に詰め寄る場面もあった。 涙混じりに抗議を訴えるその姿に、誰もが同情を寄せた。 ギャラリーの視線や声援も、トップを走る岡ヤンではなく、必死にペダルを踏み続けるラパイド2号に贈られている。 ピットレーンに居合わせた他チームの面々も、ここまでレースを引っ張った彼の走りに、口々に賛辞を送っていた。 オレ達も、そのエンジンが息を吹き返し、せめて無事にチェッカーを受けることを祈った。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |