《MUMEI》

俺はチャリのスピードを弱めた。





道端に座り込んだ彼女。



その女の子は茶色の髪、
小さな体、
真っ赤なワンピース、
透けてるような白い肌、

そして漆黒の濡れた瞳が印象的だった。



「……君、どうしたの?」



女の子は黙って俺を見た。


驚きも、喜びも、悲しみもしない……




「泣いてんの?」



すると女の子はふるふると首を横に振った。



いや、どう考えても泣いてるだろ。


雨なんかじゃなく、彼女の瞳からは涙が流れてるんだ。



何を言っても答えない。



そんな彼女に俺は

「後ろ乗って」

とだけ言った。

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