《MUMEI》

雨で濡れているはずなのに喉が乾く。


緊張、してんのかな。


少し考えてから、彼女はコクンと頷いた。

ほっとしたのが自分でも分かる。


黒いぼろチャリに、彼女は躊躇いながら乗った。



……軽。


今まで女の子を後ろに乗っけたことはある。



でも、こんなに軽い奴は居なかった。



みんなが重いんじゃない。


彼女が“軽すぎる”んだ。





この子、なんかあったのかな。


軽くて、居るのか居ないのか分からなくなり、何度も確認してしまう。



彼女は俺の背中に額を押し付け、静かに泣いていた。

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