《MUMEI》
リジチョウシツデ
「ここだな」

“理事長室”と書かれたドアをノックする

「どうぞ」

中から男性の声が聞こえた

「失礼します」

ドアを開けて中に入る

「やあ、涼哉くん。編入おめでとう」

そう言ってきた理事長は見た目は二十代だが、今年で五十六歳のベテランだ

「ありがとうございます」

「満点で編入した人、君が初めてだよ。簡単だったかい?」

「いえ、運が良かっただけです」

「はっはっは、君は本当にお母さんに似ている。その控えめのとことかね」

「そうですか?」

僕は母を知らないが、母を知ってる人によく似てると言われる

「おっと、こんなこと言ってる場合じゃなかった。おーい、入ってきてくれ」

入ってきた人を見て、僕は驚いた

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