《MUMEI》

「おい」

「主に向かっておいとは何だ,おいとは。他国の麒麟を見習え」

「お前こそ執務のだらしなさ,他国の王を見習えよ。…それよかさ,今日蓬莱が何の日か知ってるか?」

唐突な質問に尚隆は動きを止める。
今まで色々陽子から蓬莱の文化を教えてもらったが,今日が何の日か記憶に無い。


「さぁ…何だったか。はろうぃんやらばれんたいんやらは聞いたがな」

延王がこちらに来て数百年。
蓬莱には彼の知らない文化が多数息づいていた。
横文字が耳に新しく,また少し縁の薄いものに感じられた。



「何でもえいぷりるふーるって言って,嘘をついていい日らしいぞ」

「…では役人に嘘を申したり王が偽の勅命を出す事も許されるのか?」

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