《MUMEI》
ナツカシイカオ
「失礼します」

入ってきたのは若い女性

長い髪をポニーテールにしている

「涼哉くん、君の担任の山埜楓(やまのかえで)先生だ。・・・どうかしたのかい?」

どうやら固まっていたみたいだ

「・・・楓・・姉・?」

ふと、声が漏れる

「どこかで会ったか?」

男口調で尋ねてきた

「楓姉、僕だよ僕。涼哉だよ」

「・・・ひょっとして、涼?」

少し考えて導いたらしい

「そうだよ。久しぶり」

「あぁ、本当久しぶりだな。あの時以来だ」

「何々?二人とも知り合いかい?」

理事長が口を挟んできた

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