《MUMEI》

「えぇ、この町で入院してましたから、顔馴染みです」

簡単に説明した

「へー、そうだったのか」

「私は少し驚いたぞ。何せ、十年も音信不通だったからな」

「なるほど、大抵の人なら驚くね」

それから、少し昔の話を楓姉とした

「・・・君たち、それぐらいにしないと時間が無くなってしまうよ」

理事長の言葉を聞き、時計を見ると八時二十分だった

「ふーっ、さて、涼哉くん。分からないことはあるかい?」

「今のところありません」

「そうか。分からないことがあったら、いつでもここに来なさい」

「ありがとうございます」

「じゃあ、楓先生。涼哉くんを頼みますよ」

「分かりました」

楓姉と一緒に僕は理事長室を後にした

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