《MUMEI》 ピットの隅に置かれている、兄貴とオレの私物が入ったリュックの口から、3枚綴りの紙が覗いているのが目に止まった。 その紙は、アクア2時間耐久レースの参加要項がまとめられた資料だった。 オレは徐にその資料を手に取った。 何故今更その資料が気になったのか分からない。 只なんとなく…"心の中で引っ掛かるもの"…の答えが、そこに在るような気がしたからだ。 オレはその資料を1枚めくり、苦手な活字を上から順に流し読んでいった。 そして2枚目の紙をめくった時… …オレは思わず固まった。 丁度その時、岡ヤンの NSR がホーム・ストレートを駆け抜け、176周目に突入していった…。 前へ |次へ |
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