《MUMEI》
理由
女の子は未練もなさそうに笑って去って行った。

あたしはどうしても聞きたいことがあった。
『なんで貰わないの?』

木名瀬君は困ったように頭を掻いた。


『…奈緒から…まだなのに…貰えない…だろ…普通…』

つまり…
『あたしが渡していたら貰ったと?』
木名瀬君が大きく頷いたのに、かなりムカッと来た。

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