《MUMEI》 瞳(め)―龍―. 蘭ちゃんが よく笑うようになった。 友達も増えて 男子たちにもモテるようになった。 嬉しい筈―…… なんだけど、素直に喜べないのは 何故だろう………。 「龍、此の問題分かる??」 「えーっと、此は……」 そういえば、 積極的に話しかけてくるようになった気が……。 秀斗の奴…… 蘭ちゃんをこんなに変えてしまったのか―…… 凄い奴だな……。 「ありがとう」 その時にチラッと見せた笑顔に 俺はドキッとした。 ま……まさか……な……。 「龍――!!!!ちょっと来いや!!」 「秀斗、もう少し静かに登場しろよ」 「仕方ねぇだろ♪あっ!!蘭ちゃんも一緒だ!」 「秀斗……五月蝿い」 秀斗は、固まった。 ……ウケる〜!!!! 蘭ちゃんてば、秀斗にはいつも通りクールで(笑) 意外と"S"!! 蘭ちゃんは秀斗を、からかうだけからかって、自分の席に戻っていった。 「蘭ちゃん…変わったな!!嬉しいわ!!」 「そうだな…」 前は1人で寂しいオーラをだしてたけど、 今はその逆。 「龍!!そういえば、もうすぐ夏休みだぜ!!」 「あ〜そうだな」 「どっか行こうぜ!!」 「気がむいたらな〜」 「ひどっ!!!!!」 そういえば夏休みか〜… 今年も秀斗と一緒なんだろう… あぁ、寂しい。 「秀斗はどうせ、"ツレ"の女とだろ?」 「いや…あいつらとは、縁きる」 「ふーん…………って…えぇ!?」 あ…… あの女好きの秀斗が…… 珍しい…… ってか、縁きるだって!? 「あいつらとは、もう会わないようにする〜だから、今年の夏はあいつらと遊ばない!」 「……どうゆう心境だよ…」 「蘭ちゃんに……信じられたままがいいから…何人もの女とはもう遊ばない」 秀斗は 蘭ちゃんを変えた。 そして 蘭ちゃんは秀斗を変えた。 何時もと違う秀斗の瞳には 笑顔の蘭ちゃんが うつってた―……… .. 前へ |次へ |
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